Kidscussion(Kids + Discussion)は、日常では深く考えないようなことや、良い面/悪い面を併せ持つようなテーマについて子どもたち主体で話し合っていくルミオハナ独自のアクティビティです。子どもたちの本音を聞きながら、社会について考える機会を提供していきます。
第1回、第2回の記事はこちら!
第三回のテーマ:「普通」ってなんだろう?
第三回では身近なことなのに難しい「普通」について考えてみました。子どもたちの意見の揺れが面白いですよ♪。
参加者: F=ファシリテーター S=小学5年生女子 K=小学3年生男子 W=小学3年生女子
「普通」って何か考えたことある?
S:ふつうはふつうでしょ。何にもないってことかな。
K:ふつうというのは、よくもないし、悪くもないってことだと思う。
W:う~ん、ふつうはふつうなこと。
F:みんなにとって「普通なことって」何かな?
S:息を吸うとか、食べるとか。
W:勉強!
F:「勉強」ってふつうなんだ。
W:そう、小学生は勉強しなきゃいけないから。
F:どうして?
W:ん~、頭がよくなるためかな。
S:私もそう思う。
F:辞書を調べると普通とは、「何もないこと、特に代わりばえのないこと」ってあるね。でもみんなは、よく、「普通」って言葉使わない?「普通は~~するでしょ!当たり前だよ」みたいな意味で。
W:わたしはあんまないかなー。
K:ん~まぁいうときもあるかな。
普通なことっていいこと?悪いこと?
いろいろな普通
F:じゃあ、普通っていいことなの?「みんなが普通じゃなきゃいけない」みたいな?
K:いやそういうことはないと思う。人それぞれだから、違うのもいいと思う。
W:でも、いい「普通」とわるい「普通」があるんじゃない?
F:例えば?
W:ん~なんか、みんなに迷惑になるからやったらダメなことは、普通でもやっちゃいけない、みたいな。ん?
F:むずかしいよね。例えば、みんなは赤信号はわたっていいと思う?
S:いや、だめでしょ!
F:どうして?
W:だってひかれたりして危ないよ。
F:なるほどー。じゃあ車が絶対に来ていなかったら?
K:….それでもダメかな。
F:どうして?
W:ルールだから。渡っちゃいけないって決まってるから。
F:じゃあ「ルール」っていう意味での「普通」は守らないといけないってことかな?
S:うん。
個性の話をしてみようか。
F:みんなは個性ってわかる?
K:人それぞれってことでしょ?その人の特徴とか、癖とか。
F:そうだね。個性が普通なことってあるのかな?みんなは自分のことは普通だと思う?
K:僕は思わない。小学生なのにパソコン持ってるし。
W:私は普通かな。算数はあんまり好きじゃないけど、図工とか、運動とかは普通だし。
S:私も普通だと思う。勉強はわかんないこともあるけど、美術とか運動とかはできる。
F:例えば、「普通は~~なんだから」とか「みんなは~~してるよ」とか、「普通」にするように言われたことはある?
S:それが、大人のダメなところだよね~!すぐに「比較」しようとする。
F:それで、普通にするの?
W/K/S:….
F:(ニヤリ)普通って何?
W:えーわかんない!
K:いいとわるいのあいだ?
S:このテーマ難しくない?笑
F:みんなが普通になったらどうなるの?
W:みんな同じになって、よくもないし、わるくもないから平和?
S:みんな同じって無理じゃない?
普通の人っているのかな?
F:ちょっと質問を変えよう。逆にみんなの普通じゃないところって何?
S:サーフィンができる!あと、小さいとき119にいたずら電話したこと。
K:だめでしょ!(笑)僕は小学生なのにPC持ってること。
W:体が柔らかい。
F:じゃあ、もう一回聞くけど、みんなは普通なの?
W/K/S:ふつうじゃないか。笑
F:みんなの周りには普通の人っている?
W:う~ん、いないかな。
S:いないかも。いないわ!
K:ぜんぜんいない!笑
F:じゃあ、普通ってないのかな?
S:いやでも、ある!あるけど、ない。
F:なんかそんな感じっぽいね(笑)Sちゃんにとって、K君の普通は普通じゃないもんね。
S:あーたしかに。
K:あってないようなものっていうか、人それぞれだから…。思ったんだけど、普通って、一人一人にあるものなんじゃない?
F:そうかもね。あってないようなもの。それが普通かもね。ありがとう!
ということで、哲学的な問いに挑戦した子どもたち。
途中集中力が何度も切れかけましたが、なんとなく日々の生活の周りにある「普通」について考えるきっかけとなったようです。
「普通」ってなんでしょう?難しいです…。
次の日、「昨日、家に帰ってからも普通ってなんだろうって考えてたんだけどさ…」と話しかけてきてくれる子もいて、少しずつ「考える」きっかけを与えられているのではないかと思います。うれしいですね!
それでは次回もお楽しみに!