安い教育は可能なのか?パート5

    こんばんは。今日は「お値段以上の教育は可能なのか?」の最終回です。

    この連載では、安いのに、感動体験をもたらす教育サービスというものが可能なのかについて考えてきました。

    今日は今までに考えてきた、質の高い教育の3条件である、

    1. メンターの選択可能性
    2. 継続可能性
    3. フィードバック

    を兼ねそろえたうえで、低コストで提供できる学習方法を考えていきます。

     

    良い先生を安く選べるようにするには;

    メンター(先生)が選択可能な教育というのは、今あるものだと家庭教師やマンツーマンの塾があります。

    いずれも人間一人が動くわけなので、人件費は高額になります。

    先生の選択肢も地域性があるので「ベストマッチな人」を見つけるのはなかなか難しいです。

    では、どのように「お値段以上」を出すのか?

    選択を可能にし、かつ安価に済ませるのであれば、「オンラインでの少人数制対面授業」かなと思います。

    ここでは義務教育に相当する年代を対象に話をしているので、対象は小中学生です。

    経験として、この年代に必要なのは「勉強が得意な気にさせてくれる」だったり「話を聞いてくれ、ほめてくれる、刺激をくれる、良きメンター」の存在です。

    進学塾のいわゆるスーパー講師ではありません。

    なので、オンラインで対面通話が可能な大学生、社会人で「小中の勉強をわかりやすく教えられる人」であることがここでの必要スペックです。

    人件費は相変わらず発生しますが、少人数制で2~3名で時間を共有するので費用も2~3分割になり比較的安価に教育を受けることができると思います。

    継続可能性を育てる;

    継続可能性とは、つまり「楽しさ」です。楽しくないと続きませんから。さらにいうと、楽しい学習というのは決まって能動的活動なのではないかと思います。

    やらされる、ではなくて、自分から「やりたい」と思える難易度だから楽しい、続けたい、と感じるのでしょう。

    「コストを抑えたメンターの選択」はオンラインでの少人数制指導で可能ですが、これに継続性を足すとすると反転授業を行う必要があります。

    反転授業というのは、いわゆる一般的な教育手法の逆、を行きます。学校でインプット→家で宿題などでアウトプット、ではなく、家でインプット→学校でアウトプットというアプローチです。みんなで顔を合わせるときに議論や、意見交換を行い、活性的な活動や発信、発表を行います。ここが「楽しさ」を生むことになります。

    受動学習は自宅でオンライン動画などを繰り返し見て行うことができる世の中です。聞き逃しのリスクもないですし、個別の能力に合わせたインプットが可能です。

    反転学習は最近のオンライン社会を鑑みると導入も機が熟しているように思います。教える側は、同じ授業を繰り返し行う時間がないので全体のコストも削減できます。

    一方、学習においては子どもの主体性が重要視されますので、家でのインプットをきちんと行っているかなど、宿題のチェック、理解度の測定などは教育者側が意識的に管理する必要が出てくると思います。これもグーグルフォームなどでオンラインで自動採点ができるツールを活用し、知識の定着を審査すれば費用対効果が上がります。

    反転授業のメリットは多く、特に教育で一番コストがかかる授業実施の人件費を縮小できます。

    反転授業で家庭での学習機会(インプット)を最大化する一方で、アウトプットの時間をある程度制限することでコストのコントロールが可能なのではないかと思います。

    フィードバックを安く行う;

    ここは質の高い教育において最も重要視したいところですが、最もコストがかかるところではあります。

    フィードバックをより効果的に、かつ安価に行うために必要なことはフィードバックの収集先を増やすことです。

    先生(大人/メンター)からその子ども本人への伝統的な学習フィードバックだけではなく、クラスメート、親、自分自身、など様々な観点でのフィードバックを必須化します。

    これを360度フィードバックと言いますが、一方通行のフィードバックよりも内省機会が生まれやすく、学習効果が高まるといわれています。

    教師は教師観点でのフィードバックを行えばよいので、要点を絞れますし、親や自分自身、同級生もフィードバックをすることで学習・教育に参加している意識が高まるので、学習者を取り巻く環境全体がプラスに動きます。

    僕は教育とはその本人に直接学習を強いることではなく、環境的に学習をしたくなるように誘導することだと思っています。

    つまり、「城(本丸)を攻め落とす」のではなく、「外堀を埋める」といったアプローチが有効です。そういった観点で様々な視点からのフィードバックを受けることで学習者は学習に対する内省が深まりますし、学習者の周りも教育意識が高まり、結果的に低コストで教育の質を高めることができます。


     

    さて、いよいよまとめますと「お値段以上の教育」を実現するには、

    オンラインを利用した対面式少人数での反転授業で360度フィードバックを活用

    ということになるのではないかと思います。

     

    「じゃあ、これはどこにあるのよ?」というお話ですが、どうでしょうね。

    残念ながらそういったものは今はまだないと思いますので、ホームスクールなど教育意識の高い集団が進んでオンライン教育などを開拓していくしかないのかな、と思っています。

    HoSAでこういったものができたらいいのですが、、頑張ります。